2022年10月 ◇◇広島の都市計画に物申す 1◇◇

 

 よく似ている立地の福岡と比較すると、その違いは、歴然としています。間違いなく、素材、条件としては広島の方が揃っていましたが、安易な間違った選択を繰り返し、約50年間で福岡には、決定的に先を越されました。一旦決定した事項は後もどりできないので、もう追いつくのは不可能です。

 

 広島と福岡。

 いずれも市街地が川の三角州に広がった発展形態で、広島駅と博多駅、八丁堀・紙屋町エリアと天神エリアの距離関係、宮島と太宰府との関係、新空港や新球場の計画。鉄鋼等の北九州市と鋼管の福山市の位置関係。約50~60年とスタートラインが近く、私の人生とほぼ同じ長さです。海の位置関係は逆ですが、それ以外は、よく似ています。背後地は福岡の方がやや広いと思います。

 そして、出した答えは、検討の結果、ことごとく反対といえる対応をしてきたことが実に面白いと思いました。どちらが正しい判断をしてきたかは、言うまでもありません。

 

 福岡では、全て合理的に、そして迅速に、一貫性を持って、都市計画を進めてきました。私が子供の頃から、よく福岡に行ってましたから、その変化は、よく覚えています。

 そもそも、福岡の発展は、ある意味、期待以上だったと思います。日本海に面し、海が北方面にある地方都市、北から、秋田、新潟、金沢、福井、鳥取、松江・・・その中で福岡の発展は、目を見張るものがありました。

 

 博多駅と天神エリアの地下鉄と地下街を最優先で整備し、西鉄等が手放した球団をソフトバンクが取り戻し、駅を基点に、新球場も空港も最上級のものを海側に造り、地下鉄を伸ばしました。アクセスは与えられた環境ではベストです。

 

 私の父は、なぜか西鉄ファンで、私の「和久」という名前は、稲尾様から頂いたもので、ひいき目に見ていますが、それでも、差は明らかだと思います。

 福岡は、迷いなく構築した都市計画を長期的スパンで着実に創り上げていった感じです。勿論、空港や球場を海沿いにつくるのに、環境問題等で反対する人がいたと記憶しています。多分、ぶれない強靭な意思を持ったリーダーがいたと想像します。

 

 宮島と太宰府の集客力は断然、宮島の方が上です。更に、広島は原爆投下という最強の強みがあるのに、この差は一体何でしょうか。広島は、団地を造っても、南向きで海からの日差しが差し込み、好立地です。しかし、仮に、カープ球団を手放していたとしたら、広島には再び球団を買い戻すパワーはなかったと思います。

 

 来年のG7首脳会議の広島誘致は、岸田さんと原爆のお陰ですが、企業が福岡か広島のどちらかに支店を出すとして、どちらを選ぶか。色々な条件を比較すると、99%福岡になると思います。それを積み上げると、雇用等はかり知れない差となり、今では、街の活気が全く違うと思います。

 

 広島人は「そんなもん、期待せんでも、ええんじゃ。マツダがあるじゃろうが。天下のマツダがかんばれば、一発じゃ」と他力本願で笑い飛ばしている気がします。 

 

2022年10月 ◇◇広島の都市計画に物申す 2◇◇

 

 都市計画という観点では、広島駅のアクセスや新交通シムテム、空港、大学、野球場など全ての場所の選定から、ごく一部の利益が優先され、全体として失敗続きでした。

   

 各論としては、アジア大会で、野村不動産が会場となったアストラムラインの終点駅周辺のマンション群について、強気で、全て売り尽くし、大きな街ができるという言葉を信じたけれど、景気動向を読み違え、計画倒れになりました。

 その結果、大きな負債を抱え、海島博などの負債もあって、その後の全ての選択が後手を踏み、中途半端なものとなったと感じます。景気動向の読みは難しいと思いますが、アストラムラインを駅まで繋げないという計画で得をするのは、広電だけです。今でいう忖度が働いたのかもしれません。そこが間違いの原点だったと思います。最近、白島駅を造って、乗り換え駅としましたが、どのような計画変更でそうなったのかは分かりません。失敗をそのまま中途半端に繕い、それが定着するともう元には戻れません。

 

 空港を県北の山に造ったのも理由がわかりませんが、少なくとも、良い判断だと思っているのは、誘致に動いた地元の一部の人だけです。広大も同じです。そもそも、広島市が手放した理由が分かりません。新球場をドーム球場にしない理由も分からないです。少なくとも、球場に出入りする飲食店の仕入ロス等は莫大なものです。ただ建設費をケチりたいだけの判断なら、小さすぎです。

 結局、私には、判断は、小さな企業城下町の市が、ただ、場当たり的な、ただ予算消化のために使えないモノを造るみたいなレベルに見えました。一部の政治家等が私利私欲のために動き、それに従うしかなかったということかと思います。

 

 こんなことを書いて本当に御免なさい。誠に申し訳ありません。一方的な見方ということも分かっています。想像でここまで書いて、いいのかと思います。

 担当者レベルは、真面目に一生懸命に働き、その場、その場で、与えられた環境で、ベストを尽くした結果と分かっています。それと、広島市なのか広島県の話なのか主体がはっきりしません。どのような過程を踏んで意思決定がされ、市民とか県民の意見が反映される仕組みなのか詳しく理解もしていないと思います。

 

 でも、大きな贈収賄事件が広島であったのも事実です。高度経済成長期のような時代錯誤も甚だしい事件で、市民、県民の信頼は揺らいでいます。

 今後のために、反省すべきことは反省し、市民、県民にとって、ベストな選択をして欲しいと思います。岸田さんも広島出身です。これからの躍進を期待しています。