2022年10月 ◇◇私には、ここがオンリーワンの場所です その1◇◇

 

  お客様の内、ライブ目的の方は、ほとんど、土龍の敷地とか、波打ち際とか、海の方へは行かないのが現実です。BBQをするデッキからの眺めを楽しむだけで、下に降りようとしません。日差しなのか、虫なのか、単にどうでもいいのか、良くわかりませんが・・・。

 確かに、眺めはいいのですが、私にしてみれば、正直、残念の一言です。

 どのように利用するかもお客様の自由です。

 でも、敷地をきれいに維持することを一番に取り組んでいる私にとっては、多少、さみしい感じがします。お客様を選ぶ権利は、店側にもあっても、いいんじゃないかなとたまに思うことがあります。

 

  この場所は、車を使わない自分にとっては、買い物を含め、楽に通える場所。利便性という側面で、他にはないです。

 

 子供の頃から、夕暮れ時になると動くものが見えにくく、ソフトボールなどでは、内野フライが見えなくなり、「鳥目」って言われてました。車の免許はとりましたが、原付で夕方6時頃、細い道を20km位で走っていて「あれ、何か動いているけど、人間かなぁ。良く見えないなぁ」と、人にぶつかりそうになったことがありました。これでは、人身事故を起こすと思い、怖くて車の運転は止めました。目の障害だと思います。何人か同じような人に会ったことがあります。ですから、車を使わずに動ける場所は、ここしかないです。

 

 敷地がそのまま、海の波うち際までフラットに続いているというロケーションも、例えば、似島の海岸線とか島は、ほとんど回りましたが、堤防道路で遮断されていて、こんな場所は他にはないです。

 

 真正面が宮島で、夕日が正面に沈むロケーションも最高です。林に囲まれ、周りに民家がないのも奇跡的です。他の民家が500mと離れているのは、弱点でもありますが、ここはオンリーワンとして選んで買い、海が見えないところから、ここまで整備しました。坪1万円という相場は、私にとっては、異常に安いと思いました。

 

 よく他県の人とか海外の人が来られた時、「島々が重なり合うような海の景色は、例えば、英虞湾とか、日本でも数少ないと思います。中央が神の島、宮島で、そこに夕日が沈むロケーションは格別です」と説明します。

 

 多分、広島の人は、まあどこの地方都市も同じですが、周辺地域の出身者が多いです。県北や山陰地方、それから島嶼部などです。そこの出身者なら「車で数時間かかるけど同じような景色で「珍しくないよ」と正直感じるかと。ひいき目にみると、故郷の方が優れていると。

 数時間、車を走らせることは、中高年層には、ドライブがてら、苦にならない、楽しい距離という認識の方が多いです。今の若者の価値観は、どうも変わったきたようで、車よりスマホに興味が向いたようです。

 

 むしろ「くそ田舎が嫌で出てきたから、何を今更」という感じる方もいると。「誘われて来たけど、どこがいいのか正直分からない」という方も多いと思います。夜型のミュージシャンなどに特に多いと思います。私もそう思ってきましたが、50歳の頃に「田舎者はやっぱり田舎が一番。無理しないで、田舎が一番落ち着くわ」ということに気付きました。

 

 アンガールズの田中さんが来て言ってましたが「確かに、ちょっと敷地の規模とか、頑張っている方だとは思うけれど、しかし僕は上下の出身だから、当然、上下を選びますよ」と。ボケずに普通に本音を言っていましたが、そのとおりだと思います。誰も、故郷が一番だと思います。そんな価値観だと思います。

 

 それから、いくつになっても、「流川で朝まで飲んで騒いで、うまいもの食って、そのために懸命に働いている」とその価値観も否定しません。

 でも、今の若者の価値観とは明らかに違うし、コロナ禍で一層受け入れ難い空気は、読んで、変えていかないと生きていけないと。危機感を持っているのかなぁと。何も変えようとしないと思いました。

 

2022年10月 ◇◇私には、ここがオンリーワンの場所です その2◇◇

 

 一方、東京、大阪などの都市部にお住まいの方や海外の方は、本当に、心からここの良さを理解し、喜んでくれていると感じます。「こんな身近な所にこんな楽園があるなんて、信じられない」と。

 

 アジアからの留学生なども、海外留学を選ぶという行動力のある人達が、まず「広島」という街を選んでくれたことがうれしいし、素直にロケーションを楽しんでくれる姿には感動を覚えます。「みんなインドア派ですから」と白い肌を見せながら、海で、はしゃぐ姿を見ると「本当に、ここをやっててよかった」と感じます。

 

 だから、素直に喜んでくれる人達に来て頂きたいのです。私の願いです。 

 芝生の広がった敷地を裸足で歩き、「気持ちいい」と言ってくれる人達に集まって欲しいのです。

 

 また、将来を担う子供達にも、そんな風に、たくましく育って欲しいです。親がそうだと、子供も自然とそうなります。

 子供達の将来は、前途多難であることは間違いなく、負の遺産ばかり残す結果となり心苦しいです。せめて、たくましく生きる術を教えないと、生き延びることさえ、難しい時代が今直ぐに来ます。

 

 夜にサウナとか、花火とか、夜釣りとか、キャンプファイアーとか。

 コロナ前のように、節度をもって、合宿気分で朝まで友人と遊び尽くして欲しいと思います。いくつになっても、子供の頃、学生の頃に戻れると、そうあって欲しいです。

 

 コロナ禍でそんな空気はなくなりましたし、まだまだそんな時期ではないです。でも、アメリカでは既にそうですから、いずれ戻ると信じたいです。

 だから、今は、信頼できる人の選定には慎重な判断が必要ですが、お友達になったときには、ただで、泊まって頂いています。そこからは、営業ではないという整理です。お客様と友人は、明らかに目線が変わってきます。

 

 来年からは、海沿いにサウナも作ります。海に浸かって体の火照りをとるというのは、新しいと思います。癒し空間として、楽しみ方のバリエーションも増えました。

 本当に、ここの良さを理解している人達と、信頼関係を築き、自然そのものを愛する人達にとって、憩いの場所となる。そんな人達が集まる場所になることを願っています。

 

 音楽には、こだわりを持ち続けたいですが、それは営業とは別です。「場所はどこでもいいから朝まで演奏できれば」という価値観。「やっぱり、それは繁華街が一番」です。

 音楽だけだと、そういう価値観の人が大半だと分かりました。コロナ禍で、やっぱり、感染のリスクは大いにあり、この場所ですることではないと。

 だから、一旦、音楽メインから離れて、この場所で提供するメニューの一つとしようと決めました。